2006年2月の日記


2006年2月1日(水)

 ミートスライサーの掃除、また、新記録を樹立しました。

 凄いです。精肉の社員さんたちから、大絶賛されます。

 僕は、ミートスライサーの掃除をするために生まれてきたのかもしれません。

 まあ、それは冗談です。

 実際のところは、約1年半この仕事をやっているために、慣れているというだけのことでしょう。
 ウチの肉屋のお仕事は、「1年やって、ようやくマトモに働けるようになる」というレベルのもの(それだけに、1年半の経験がある私に、異動してほしくないのでしょう)だと、以前聞かされたことがあるんですが、その意味を、最近実感しておりますですよ。

 閉店業務終了後、グロサリーの社員の清水さん(仮名、24歳・男)から、ミカンを6つ、もらいました。清水さんが、自腹で買ったものらしいです。  ありがたく、いただいて帰りました。

 さて。また、明日までにレポートを仕上げなきゃ。徹夜だ徹夜。
 今回も、まだ何も手を付けてない状態なんですから。


2006年2月2日(木)

 レポートは、なぜか、完成しました。
 ワケの分からん駄文を書き連ね、とりあえず、規定枚数にだけは到達させました。
 まあ、何も出さないよりはマシですからね。

 昨日もらったミカンを、食べようとした時のこと。
 まずは、皮をむくじゃないですか。そうやって皮と身を分離して、身のほうを食うわけですよ。
 しかし、私、疲れていたのか、本来口に入れるはずの身のほうではなく、皮のほうを、口に入れようとしてしまったんです。
 しかも、合計で3回も、その過ちを繰り返してしまいました。
 アホです。

 ところで、ここのところ話している、作業スピードの件ですが、実は、極端にスピードアップしたのは、ミートスライサーの掃除だけなんです。
 ではなぜ、清掃作業全体の時間が短縮されたのかというと、それは単純に、仕事の量が減ったから。

 というか、今までが多かったんですよ。
 ウチのスーパーは、関東地方に100店舗以上の店を抱えているんですが、ウチの店の精肉アルバイトは、それら店舗全体の基準より、ずいぶんと沢山の仕事をさせられてたみたいで。
 例えば、ミートチョッパー(挽き肉ミンチマシーン)の掃除や、消費期限が翌日に迫った生肉を、3割引きにする作業。これらは本当は、夜のバイトが来る段階では、終わってなきゃいけないものだったそうなのです。

 で、このたび、ウチの店舗も、バイトの仕事を、しっかりと会社の基準に合わせることになりまして、その結果、私が清掃作業全体にかける時間も、ずいぶんと減ったと。そういうわけだったのです。

 おかしいなあ。
 こないだ、「自分でも、驚愕してます」とか言ってた奴は、何だったんだろう?


2006年2月3日(金)

 またまた、新記録を樹立いたしました。

 これはヤバいです。制限時間の半分近いタイムで終わらせちゃってますから。

 紙に記録されている、昨日の佐藤さんのタイムを見てみると、今日の私の倍以上かかっています。
 よし、これで大丈夫。
 部門異動するのは、佐藤さんだね!

 思い返せば、このバイトを始めたてのころは、もう必死で、全力で、なおかつケガもしないように、スライサーの掃除をやっていました。
 でも、経験を重ねるにつれて、余裕が出てきたんです。その余った力を、今までは、「慎重さ」のほうに配分していたんです。作業速度はそのままに、より安全に作業をするようにしていたんです。
 しかし、その余力を、「スピード」のほうに配分するように切り替えた。これが、最近の、自分でも驚くような作業速度の速さの、カラクリでしょう。

 はい。では、本日発生した、バラ売りのカツたちをパックし終えた私と、そんな私に指示を出すチーフとの会話。
 この古谷チーフという人は、寒いダジャレを大の得意としています。いつもいつも、オヤジギャグを連発しています。そのことを前提として、お読みください。

 チーフ:「平台にパン粉がサンランしてるから、カツを出す前に、拭いといて」
 私:「産卵ですか。卵を産んでるんですよね?
 チーフ:「よく分かりましたねぇ。言おうと思ってたのに、先に言われちゃった
 私:「なんてことだ。チーフと同じことを考えてしまうなんて……
 チーフ:「末期症状か?(笑)」
 私:「はい。もう、脳がかなり……。ビー玉ぐらいに縮んじゃって
 チーフ:「そんなにマズいのかよ、俺の頭は!(笑)」


2006年2月4日(

 これは、2月4日の日記とされていますが、正確には現在、2月5日の、午前0時20分であります。
 まあ、「日付は変わっていても、その夜のうちには書き上げているんだからいいじゃないか」ってことで、大目に見てやってください。

 実は私、今までにも同じことを、何回もやってます。
 仕事柄、家に帰ってくるのが夜11時を過ぎてしまうので、仕方がないんですよ。

 ま、今日はバイトはなかったんですけどね。


2006年2月5日(

 今日は2月5日。バイトの、新体制発動の日です。
 今日の私は、佐藤さんや精肉社員の人たちとは離れ、加工肉の品出しだけを行っていたので、日記のネタになるような出来事はありませんでした。
 品出し中に、また背中を痛めたことぐらいですかね。もう治りましたけど。

 昨日、なぜ、バイトもないのに日記を書くのが遅かったかというと、実は、一日中こゆしん各話にアンケートフォームを設置する作業に取り組んでいたからなんです。日記を書いた後も、まだ作業続行し、設置完了したのは、実に、朝の8時ごろでした。

 アンケートフォームの設置ごときでこのザマとは、なんという低能ぶり。
 明らかに、昨日一日を無駄にしています。

 まあ、それはそうと、全話に設置したアンケートフォーム、せっかくだから、こゆしん読んで、答えてみてやってください。いやいや、遠慮はいらないですよ。さあ、どうぞどうぞ。もっとグーッとグーッと。おー、いい飲みっぷり。

 ……と、ここで宣伝しておくのが、一番いいんです。
 なんたって、不本意ながら、この「日記」が、一番お客さんの多いコンテンツなんですから。ここでアピールしとけば、このサイトに来てくれる、ほとんどの人の目に入ります。

 とはいったものの、そもそも、サイトそのもののお客さんが少ないので、あまり意味がないような気もいたしますけどね。


2006年2月6日(月)

 青果部門サブチーフの本田さん(仮名、今年度で34歳・男)が、別の店に異動します。今日が、ウチの店での、最後の出勤日となりました。

 しかしこの本田さん、この日記には、今日まで一度も登場したことがありません。

 初登場で、いきなりいなくなってしまいました。

 あんまりです。

 バラ売りの焼き鳥をパックしようとしていた時のこと。「最近、オートパッカー(自動包装機)の調子が悪い」ということを、春井さんに告げられました。

 私:「こいつ、おかしかったんですか?」
 春井さん:「そう。樫木さんみたいに
 私:「あー、なるほどー
 春井さん:「いや、納得するなよ」

 ちなみに、樫木というのは、私の名前(やはり仮名ですが)です。こゆしんを読んでいる方なら、ご存知のことと思います。
 まだこゆしんを読んでいない方は、今この機会に、読んでみてくださいね。

 ……結局これですか。


2006年2月7日(火)

 佐藤さんからメールが来ました。内容は、精肉社員からの伝言。
「明後日、衛生検査があるから、掃除を入念に行う。明日(2人とも出勤の日)、作業場掃除を担当するほうは、いつもより30分早く来てくれい」という、伝言でした。

 もちろん、佐藤さんに、30分早く行ってもらうことにしましたよ。
 いや、強制はしてないですよ。向こうがそう提案したんですから。

 まあ、ラッキーだと思ったことは、否定しませんが。

 今までに書いた日記のうち、先月分を切り離し、過去ログとして、新たな人生の船出をさせました。
 ずいぶん遅い出航でしたが、気にしないでくさい。勘弁してくさい。そうしてくさい。

 ダメだ。バイトのない日は、ネタがない。


2006年2月8日(水)

 今日の仕事は、非常に忙しかったです。こんなことなら、私が30分早く来て、掃除を担当しておくんでした。

 こんなに忙しい日だというのに、佐藤さんめが、誤って、包丁差しを壊してしまいました。明日の衛生検査に備えて、包丁差しを解体して拭いていた時に起こった、悲劇でした。

 よりによって衛生検査の前日に、作業場の物品を破壊するとは、困った奴です。全くもって、許しがたい愚行です。

 まあ、私もかつて、衛生検査の前日に、スライサーの操作を誤り、「ドン!」という音と共に、壁に大穴を空けてしまったことがありますが、それはこの際、なかったことにしておきましょう。


2006年2月9日(木)

 夜まで寝てました。

 いや、こんなこと、今まで生きてきた中で、数えるほどしかないですよ。なんというか、ここのところ疲れてるみたいで、起きられないんですよね。
 今年度は、もう学校も終了していますし、今日はバイトもないですから、別に、構わないといえば、構わないんですけど。

 それでも、人生の貴重な時間を、惜しげもなくドブに捨てたような感覚に、囚われてしまっています。


2006年2月10日(金)

 お腹を壊しました。

 原因は、全く分かりません。悪いものなんて、なんにも食べていません。
 家にあった、1ヶ月前に賞味期限が切れたカステラを食べましたが、それが原因なはずはありません。それがお腹に悪かっただなんて、ご冗談を。

 何にしても、もう治りましたから、原因なんて、もうどうでもいいんです。
 さぁて、残りのカステラを食うか。


2006年2月11日(

 いい忘れていました。今月の8日、1名の欠員が出ていたグロサリー部門に、新しいバイトが入りました。
 これで、私がグロサリーに異動させられる可能性は、なくなったわけです。
 まだ、鮮魚が残ってるわけですが。

 8日に彼がやってくる少し前。確か、1月末のこと。実は、その時にも、グロサリーに、1名、バイトが入ったんです。
 その人は、出勤初日で、退職しました。
 今度の人は、長く滞在してくれると、ありがたいです。

 ……と、バイトのない日は、話を過去にさかのぼらせて、ネタにする、と。
 うん、いい手だな。


2006年2月12日(

 も一つ、いい忘れていました。先日の衛生検査。特に、問題点を指摘されるようなことは、なかったとのことです。良かったです。

 例の、調子の悪いオートパッカー。今日、私が、トレイに詰めた焼き鳥を置いたら、
「トレイの識別ができません」
 などと抜かしやがりました。実際には、識別できないはずはないのに。

 そのことを、その場にいたチーフに報告したら、
『バカだなぁ』って言ってやれば?
 と。

 そこで私が、パッカー君に、
バカだなぁ
 と声をかけてやると、彼、急に動き出し、置いてあった焼き鳥入りトレイを、見事にパックしてのけたのです。

 私とチーフは笑いました。
こいつ、結構プライド高かったんですね
 と、私は思わず言ってしまいましたよ。

 もしかすると、私にバカと言われたということが、よっぽど屈辱的だったのかもしれません。

 帰りには、社販の、1本20円のハイチュウを、10本購入しました。
 ずいぶんと大量に買ってしまいました。

 しかし、この、ハイチュウというやつ、歯の詰め物が取れてしまう危険があるので、私は、あまり好きではないのです。

 なぜいつも、買った後に、我に返るのだろう。


2006年2月13日(月)

 冷凍庫。昨日は、その−20℃の世界で、長時間作業をしすぎてしまったみたいです。どうも、風邪気味です。
 防寒着の類を一切着用せずに仕事を行っていたのが、マズかったんでしょうか?

 ええ。マズかったんでしょうね。


2006年2月14日(火)

 まだ風邪気味です。
 おかしいです、私が風邪をひくなんて。
 かつて古谷チーフに、
「樫木さんは絶対仕事を休まないから偉いよなぁ。ナントカだから風邪もひかないし
 と、絶賛された私なのに。

 しかし、「ナントカ」とは、何のことでしょうかね?
 全く分かりません。
 なにしろ私、頭が「ナントカ」なもので。


2006年2月15日(水)

 風邪のほうは、だいぶ良くなった様子です。

 ウチのスーパーでは、去年の11月から、夕礼(朝礼の夕方バージョン)という、よく分からんものが実施されています。
 毎日午後6時過ぎに、青果・鮮魚・精肉・グロサリー・パン屋、各部門のアルバイトをバックルームに集合させ、それは行われます。

 本日、その夕礼が終わった後、パン屋のバイトの筒井さん(仮名、高校1年・女)が、バレンタインデーに1日遅れで、皆さんに手作りの義理チョコを配っていました。私も、いただきました。

 そのチョコを、作業場に戻ってから佐藤さん(彼女と筒井さんは、同じ女子高の、同学年)に見せると、彼女、
勘違いしちゃダメですよ(笑)
 と、釘を刺してきやがりました。
 やはり、口の減らない奴です。

 勘違いしたっていいじゃないか!

 ……じゃなかった。

 勘違いするわけないじゃないか!

 で、そのチョコに関して、ちょっと気になったことが。
 別に、チョコ自体には、何も問題はないんです。
 気になったのは、筒井さんがチョコを取り出した袋。
 ウチのスーパーの目と鼻の先にある、ライバル店の袋だったんです。

 現場には、副店長もいたというのに……。
 勇敢な娘さんですね、筒井さんという人は。

 しかも、このライバル店、単なるライバル店ではないんです。

 ……と、ここまで書いて、今日の日記はお開き。
 長くなりそうなので、続きは明日のお楽しみ。

 1つのネタで2日分の日記を書く。
 僕はなんて頭がいいんだろう。


2006年2月16日(木)

 疲れて、日記を書く前に寝てしまいました。
 もう、2月17日の、午前5時過ぎです。
 これでは、2月16日の日記になっていません。
 内容もまた、2月16日の日記になっていません。

 では、昨日のお話の続きを。
 昨日は、「明日のお楽しみ」なんていってしまいましたが、別段、楽しい話ではなかったりします。

 えー、件のライバル店(というかライバル企業)。実は、一昨年から、ウチの会社と業務提携してるんです。
 「業務提携」と言えば、聞こえだけはカッコいいですが、要するに、ウチの会社が彼らに株を買われ、その手下に成り下がってしまったというだけの話なんです。
 そのために、向こうの会社の格安ブランドが、ウチのスーパーにも並んでいたりします。

 置かされているわけですね。

 そのライバル店、安さ重視で、品物の質が悪い店でもあるんです。
 例えば肉や魚なんかは、店に職人を置かず、工場でパックしたものを輸送してきて、売るという方式です。
 職人だけではありません。社員そのものが、極めて少ないんです。職員のほとんどがパートかアルバイトなんです。人件費削減のためです。

 ライバル店はこんなスーパーですから、当然、ウチのスーパーの社員たちは、かの店のことを、嫌っています。特に職人たち(精肉部門社員など)は、大変に嫌っています。
 無理もありません。向こうは、「安ければそれでいい」って店なんですから。誇り高きスーパー職員から見れば、許せない存在です。

 さらにいうと、「嫌っている」というだけの話じゃあ済まないんです。
 今は、ウチの会社の名前で、どうにかそれなりの業績を上げられていますから、大丈夫ですが、もし今後、もう少し業績がダウンするようなら、ウチのスーパーは看板を下ろさせられてしまうわけです。
 つまり、向こうのスーパーの名前で、営業することになってしまうわけなんですよ。

 もしそうなると、先ほど説明した理由により、現在ウチのスーパーにいる職人たちは、必要なくなります。
 職人以外の社員たちも、そのほとんどが、不要になります。

 大規模な、首切りが行われることになるでしょうね。

 ということで、お分かりいただけたでしょうか。
 ライバル店の袋からチョコを取り出した筒井さんの、その勇気が。

 何も知らずにやったことなんでしょうが、それにしてもケシカラン奴ですよ、筒井さんという人は。

 まあ、かく言う私も、ウチの店の閉店後に帰宅することが多いので、ライバル店で、頻繁に買い物をしているわけなんですがね。


2006年2月17日(金)

 作業場にあった台車の上に、肉屋の重要書類をまとめたファイルが置いてあったんです。
 で、私、潰した段ボール箱を、その上に積み重ねていったんです。だって、置くのにちょうどいい場所だったから。
 段ボールを積み重ね終えたところで、「ドッコイショ」という具合に、それを全部、持ち上げました。捨てに行こうとしたんです。

 そしたらそこで、
「それ、捨てないでよ」
 と、春井さんからツッコミが入りました。

 「おいおい。何言ってんだ、このアホちんは?」と思いながら、自分の持ち上げた段ボールたちを見てみると、一番下に、さっきの重要なファイルが。
 「ドッコイショ」という具合に、段ボールと一緒に持ち上げちゃったんですね。

 あのまま捨ててたら、かなりマズいことになっていたはずです。

 おいおい。何やってんだ、このアホちんは?


2006年2月18日(

 スライサーの掃除中に、エプロン(ユニフォームの一部なのさ)の肩ヒモが、ゆるくなってしまいました(右側のヒモのみ)。たぶん、更衣室での着替えの際、ヒモをピッチリと肩に密着させずに、結んでしまったのでしょう。
 その肩ヒモ、作業中だというのに、やたらにずり落ち、邪魔くさいので、私はとうとう、それを肩から外してしまいました。要するに、肩に掛かっていたヒモを、脇腹のところまで下げてしまったんです。腕を通し、脇腹のところまで下げてしまったんです。

 そのままの状態でスライサー掃除を続行していると、チーフがやってきました。
 私は、聞かれる前に、チーフに自己申告をしました。

 私:「見てください。これ、ゆるくなって邪魔だったから、外しちゃったんです」
 チーフ:「それ、なんか、それ……」
 私&チーフ「遠山の金さんみたい
 チーフ:「あー、同じこと言っちゃったよ。樫木さんと同じこと言っちゃったから、帰ろうかな。もうダメだ、俺
 私:「そんなにショックなんですか? もしかしてアレですか。世界ふしぎ発見で、野々村真と同じ答えを出しちゃった黒柳徹子の気分ですか?
 チーフ:「すげえ、なんか、すげぇいい例えだな、それ」


2006年2月19日(

 佐藤さんと、職場にて、職場について話をしていました。

 佐藤さん:「でも自分、人には恵まれてると思うんですよね」
 私:「特に俺でしょ? 俺俺俺俺
 佐藤さん:「いえ、それは全然思わないんですけどー
 私:「そんなことないでしょ? やっぱ、カッコ良くて足が長くて、背が高くて195センチぐらいある、俺だろ?
 佐藤さん:「それ、全部間違ってるじゃないですか


2006年2月20日(月)

 本日の、私とチーフの会話。

 私:「今日は、バラ売りはありますか?」
 チーフ:「ないです。でもせっかくだから、今から、焼き鳥とか沢山バラ売りして、それを全部パック詰めさせてあげましょうか?
 私:「いや、いいです。もしかしてチーフって、アレですね。性格が悪いですね?
 チーフ:「そうだよ。今ごろ気づいたのか」
 私:「チーフは意地悪だったんですね。意地悪ばあさんですね。青島幸男ですね
 チーフ:「例えが古いってば……」


2006年2月21日(火)

 今日はバイトがなかったので、何か日記に書くようなネタはないかと、ずーっと考えていました。
 そして、現在に至る。

 ネタのない日は、過去に話をさかのぼらせる作戦。今度から、本格的に実行に移すことにしますね。


2006年2月22日(水)

 昨日、佐藤さんは、ユニフォームに着替え、更衣室から出てきたところで、風間副店長(仮名、今年度で34歳・男)に、エプロンが汚いと指摘され、その場で、エプロンを新品と交換させられたそうです。
 まあ、ありそうな話です。
 彼女が、ちょくちょくユニフォームを持って帰って洗濯するような人間だとは、とても思えませんから。

 しかし、とんでもない醜態ですね。
 他部門にはそんな人、一人もいませんよ。
 確かに、肉屋はエプロンが汚れやすいですが、そんなことは言い訳になりません。
 入念に洗濯してくるように言われるとかじゃなくて、その場で交換させられるとは、もう、目も当てられないほど汚かったんでしょう。
 本当に、信じられませんよ。

 私も、こないだの日曜日の夕礼の時間に、やはり副店長に、全く同じ理由で、エプロンを新品に換えさせられたんですが、まあ、それについては、皆さんは気にしなくていいんです。

 だって、しょうがないじゃないか。
 肉屋はエプロンが汚れやすいんだから!


2006年2月23日(木)

 昨日話した、精肉アルバイトのエプロンの汚れ。これはみんな、佐藤さんの前の私の相棒である、タッキーこと滝田さん(仮名、私より1つ年下・男)が悪いんです。そうに違いなんです。少なくとも、私は何も悪くないってことにしておいてください。

 タッキーは、私がこのバイトを始めた時、すでに、ウチのスーパーの精肉部門にいました。
 要するに、私の先輩に当たる人物なんです。

 仕事を始めて間もないころ、私は、その先輩に、ユニフォームはどれぐらいの頻度で持って帰るべきなのか、聞いたんです。
 そしたら彼、1ヶ月に一度ぐらいで大丈夫だと答えやがったんです。

 その当時の私は、仕事に関して無知でしたから、盲目的に、その発言に従ったというわけなんです。
 それからも、ずっとね。
 私から、佐藤さんにも継承されちゃいましたよ。

 一度、「こういうものだ」と認識してしまったものは、たとえそれが間違いであったとしても、なかなか改善されません。
 そして、その間違った認識の原因を作ったのが、タッキー。

 ほーら、悪いのは全部タッキーだ。
 俺は悪くない俺は悪くない俺は悪くない俺は悪くない俺は悪くない俺は悪くない俺は悪くない俺は悪くない……。

 しかし そのこえは やまびことなって むなしく あたりに ひびきわたった。


2006年2月24日(金)

 本日の会話。

 私:「だいぶ前から気になってたんですけど、よく店内放送で流れる、『ドライ』って、何のことですか?」
 チーフ:「ドライ?」
 私:「そうです。よく、『ドライ8番お願いします』とか流れてるじゃないですか」
 チーフ:「ああ、それはね、乾いてる人のことなんだよ。乾いてる人が、8番っていう意味
 私:「あっ、野球ですね。乾いた人が、8番バッターなんですね
 チーフ:「そうなんです。よく分かりましたね」
 私:「……チーフ、この会話って、もろに、ドリフのばか兄弟じゃないですか?」
 チーフ:「なんてことを言うんだ! それじゃあ、僕がバカってことになるじゃないか!(笑) ……しかし、例えが古いなぁ」

 ちなみに、その後、チーフがちゃんと教えてくれたところによると、「ドライ」というのは、一般加工食品やお菓子などの、ドライな商品のことなのだそうです。
 で、「8番」とかいう数字のほう。こっちの意味は前から知っていたんですが、社内暗号っていうやつなんですな。
 この「8番」が、具体的に何を指しているのかまでは、社内暗号なので、社外には内緒なので、教えられませんが。

 さあて、やっと日記を書き終えたぞ。
 もう朝だ。


2006年2月25日(

 実は、昨日の朝、目覚めた時から、アゴの調子がおかしいのであります。
 上アゴと下アゴが、左右にズレてしまっているんです。右アゴの関節付近の筋肉を、痛めてしまったせいだと思われます。
 寝ている間に、妙な圧力をかけてしまったのでしょう。横を向いて寝ていたのが、いけなかったのかな。

 喋るのには特に不都合はないのですが、昨日は、食べ物がろくに食えませんでした。
 なにしろ、アゴが噛み合っていないんですから。

 今日は、なんとか、噛んで食べられるようになりました。しかし、それでもまだ、違和感があります。やはり若干、アゴがズレているようです。

 とりあえずは、このまま放っておけば治るっぽいですが、再発されたら困るので、近いうちに、病院に行ってきます。
 私は元来、病気よりも病院を恐れるタイプの人間なんですが、慢性化されたらウザいので、今回は、病院に自首してきます。


2006年2月26日(

 アゴのほうは、ほぼ治ったようです。
 しかし念のために、明日、病院に行ってきまする。

 さて、今日の会話。

 私:「今日は、冷凍庫にしまう商品はないそうです」
 佐藤さん:「分かりました。じゃあ、何もないなら、先輩をしまいましょう
 私:「そうか! その手があったか! 気づかなかったよ」
 佐藤さん:「もーう、そんな簡単なことが分からないなんて。もう少し頭を柔らかくして考えないとダメじゃないですか」
 私:「そうだね。はははははは」
 私&佐藤さん:「はははははは」

 念のためにいっておきますが、もちろん、その後私は、しまわれていません。


2006年2月27日(月)

 病院に行ってきました。この辺りでは一番大きい、総合病院です。

 で、医者様の診断結果を要約すると、
「こういうことは、よくあるもんなんだ。まあ、ほっときゃ治るでしょう。もし治んなかったら、また来てね」と、こんな感じでした。

 やれやれ。お金の無駄づかいだったようですね。

 診察終了後、手探りで、院内を探検してみました。
 実は私、この病院を訪れるのは今回がほぼ初めてだったので、内部にどんなものがあるのか、ちと知りたかったのです。

 やがて私、立派な売店を発見してしまいました。
 その売店には、他では見かけたことのない、珍しいパンやお菓子が、沢山売られていました。
 もちろん、いくつか買って帰りました。
 滅多に来られるもんじゃないんだから、この機会に、買っておかないとね。後悔しないように。

 やれやれ。お金の無駄づかいだったようですね。


2006年2月28日(火)

 今日は、棚卸しがありました。

 その棚卸しとは、なんにも関係ないんですが、生肉を半額に値引く作業をやりました。まあ、毎日やっていることですね。

 この値引き作業、まずは、片手に持った機械で、商品のバーコードをスキャンすることから始まります。スキャンすると、肩から下げた別の機械から、その商品に貼るべき、バーコード付き値引きシールが出てきます。それを、商品のバーコードの上に貼り付ければ、その商品の値引きは完了となるわけです。
 ひと通り値引き作業が終わったら、どれだけの数の商品を値引いたのかを、集計します。
 ボタンを押せば、一発で集計は完了します。やはり、シールとなって、出てきます。

 今日は、集計の際、たまたま、そばにチーフがいました。せっかくだから、声をかけてみました。

 私:「じゃあ、集計を出しますよ」
 チーフ:「あ、しゅーけい(あ、そうかい)」

 なんだこれは。
 ひと月の締めが、こんな日記でいいのか。



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