2006年5月の日記


2006年5月1日(月)

 本日は、朝起きた時点で、すでに疲れ切っておりました。
 おそらく、悪夢を見てしまったせいです。

 プールサイドで土下座させられ、その状態のまま、バリカンで髪の毛を全て刈り取られるという、とんでもない夢でした。

 しかも、私を土下座させ、髪を刈り取った人物が、なぜか、舘ひろし。

 どこにも、救いのない夢でした。


2006年5月2日(火)

 日記には書きませんでしたが、この3日ほどの間も、例のスーパー戦隊シリーズのカード、もらったり、自分で買ったりして、集めておりました。
 もう、全153種類中、25種類も集まっています。

 忍者戦隊カクレンジャーと激走戦隊カーレンジャーは、すでに5人全員揃いました。
 しかしながら、太陽戦隊サンバルカンや大戦隊ゴーグルファイブのような、比較的初期の作品のカードは、ちっとも出てきやしません。
 さらなる精進が必要なようですな。

 それにしてもこのカード、いいですねぇ、ホント。
 近いうちに私も、コレクションするためのファイル、買おうと思っています。


2006年5月3日(

 電磁戦隊メガレンジャーが、5人全員揃いました。
 そしてそして、太陽戦隊サンバルカンの、「バルパンサー」が、手に入りました。
 念願の、サンバルカンのキャラが、ついに……。
 精進の成果でしょうか。

 それはそうと、今、世間は、ゴールデンウィーク真っただ中みたいですね。
 そんな中、私は、カードなんか集めて喜んでいるわけですか。そうですか。


2006年5月4日(

 昨日聞いた話なんですが、風間副店長が、どうも、今月の16日辺りに、別の店に異動するようです。
 で、代わりに、ウチの店の新副店長になるのが、現在、鮮魚部門のトレーナーをやっている、平林さん(仮名、推定年齢30代後半・男)なのだそうです。

 トレーナーというのは、担当部門の職員を、指導・育成する立場にいる人のことです。無論、チーフよりも身分は上です。
 各部門のトレーナーは、1人で、数店舗の面倒を見ます(そのため、1つの店には、週に1回か2回しか来ない)。
 要するに、平林さんは、私の働いている店舗&その近辺の数店舗の、鮮魚部門の最高責任者なのです。

 この平林トレーナー、少々、えげつない性格をしており、しばしば、非常に冗談じゃない冗談を言います。

 例えば、ある時のこと。何かの用事で精肉作業場にやってきた彼、牛肉を切っている古谷チーフに向かって、こう言ったんです。
ねえねえ、これ、狂牛病の牛の肉でしょ?

 この人、本当に副店長にして大丈夫なんでしょうか?


2006年5月5日(

 カードをコレクションするためのファイル、とうとう、買ってしまいましたよ。正式名称は、トレーディングカードホルダーというみたいですね。
 今まで集めたカードが全部収納されたそれを眺めていると、ニタニタニタニタしてしまいます。

 さてさて、今日もバイトがありました。

 精肉作業場に後藤田チーフがやってきたので、カードホルダーを購入したことを話してあげました。
 そして、そのついでに、戦隊ヒーローに関するいろんなことを、熱く語り合います。
 おや? どうしたことでしょう。
 そばで話を聞いていた春井さんが、あきれ果てたような困惑顔で、我々を見ています。

 後藤田チーフ:「どうしたの、春井さん?」
 春井さん:「………」
 私:「きっと、うらやましがってるんですよ
 後藤田チーフ:「なるほど、そうか!」
 春井さん:「………」
 後藤田チーフ:「春井さんも頑張ろう! 俺も頑張るから。目指せ一番!

 春井さんめ、そんな、アホを見るような目をして……。
 ボクたちにヤキモチを焼いているんだな?


2006年5月6日(

 数日前、ウチのスーパーの魚屋は、マグロ解体ショーなるものを実施しました。
 マグロを捌く様子を、売り場で、お客様に直接見せて差し上げたのです。
 あんまり、人は集まらなかったようですが。

 この、マグロ解体ショーの実施を受け、本日、私は、チーフに、ある提案をしてみました。
 鮮魚部門に対抗して、ウチも、肉牛解体ショーをやってはどうか、と。
 売り場で屠殺を実行してみてはどうか、と。

 無論、その場で、却下されました。

 チーフの話によると、牛さんの解体は、それはそれは凄惨なものなのだそうです。
 牛が悲鳴を上げるは、血しぶきがそこら中に飛び散るは、思わず目を覆いたくなるような光景が、眼前に広がるそうです。

 これでは、客寄せではなく、客逃がしになってしまいますね。
 もちろん私も、そんなことは承知の上で、冗談として、こんな提案をしたわけですが。

 ところで、なぜチーフは、屠殺の実態に、やたらと詳しいんでしょうか?
 そうなんです。彼は、牛の屠殺を、ナマで見たことがあるんです。
 社員研修で。


2006年5月7日(

 自宅近くのコンビニに、例のウェファーチョコを買いに行ったのですが、1つも置いてありませんでした。

 実に、ふざけた店です。
 キレそうになったその瞬間、私は、ハッと、あることを思い出しました。

 昨日、このコンビニの、ウェファーチョコの在庫を、全て買い占めていった奴がいたんです。
 他でもない、私でした。


2006年5月8日(月)

 自転車に乗って通勤中、急に飛び出してきたアホな車と、ぶつかりそうになってしまいました。
 とっさに回避したのですが、バランスを崩し、私は、自転車ごとすっ転んでしまいました。
 膝から、コンクリートの道路に、ダイブでした。

 そんな、悲劇のヒロインそのものの私を尻目に、アホな車は、去っていきました。

 この臆病者め!

 店に到着し、ユニフォームに着替え、作業場に入った後、まず最初に私がやったのは、マスクの装着でした。
 春井さんに、そうするようにアドバイスされたのです。
 ちなみに、装着した場所は、左膝ね。

 両膝とも、傷はかすり傷だったのですが、左膝のほうは、出血が結構多かったのです。
 で、とりあえず止血のために、その場にあったマスクを使わせてもらったと、そういうわけなんです。
 マスクは、セロテープを使って、膝に固定しました。
 画期的なアイデアですね。

 マスク装着作業中、チーフがやってきました。
 チーフの第一声は、こうでした。
マスク、膝に付けるの? 変わってるね

 おおよその状況ぐらい察してくれよ、チーフ。

 装着完了後、私は、元気に、仕事を始めました。
 傷は、ほとんど痛みませんでした。
 膝に巻きつけたセロテープが微妙に動いた時のほうが、よっぽど痛かったです。


2006年5月9日(火)

 自宅近くのコンビニに、再び、顔を出しました。いうまでもなく、ウェファーチョコが目当てです。

 そこで私は、驚くべき光景を目にしてしまいました。
 かつて、ウェファーチョコがあった場所に、別の商品が陳列されていたのです。
 なんという痛ましい出来事……。
 邪知暴虐とは、このことか!

 しかし、この店は、どうしてこんな残酷なマネを……。
 あんなウェファーチョコを並べたところで、どうせ売れ残るから?
 そんな心配なら無用です。
 私が全部買い取りますから。


2006年5月10日(水)

 ボロくなった携帯電話を、新品に買い換えました。

 さて、本日の、風味豊かな会話。

 私:「最近、冷凍庫が混んでますよね」
 チーフ:「そうだね、混んでるね。コンデンスミルクだね


2006年5月11日(木)

 今日から、唐突に、就職活動の話が始まります。お許しください。

 本日は、某社の、会社説明会というやつに行ってきました。
 会場があるのは、私が、今まで行ったことのない町。
 なかなか、いい町でしたよ。

 説明会での、社長さんの話の内容に、感銘を受け、共感し、涙を流しそうになってしまった私は、もしや、非常にダマされやすいタイプの人間でしょうか?

 でも、それだっていいんです。
 私は、この会社への就職を、熱烈に希望しますよ。
 ま、どうせ不採用になるでしょうけど。

 帰りに私は、「せっかく、初めての町に来たのだから、地域の特産品をお土産に」との思いから、その町のコンビニで、スーパー戦隊のウェファーチョコを探しました。

 置いてありませんでした。

 前言撤回。ろくでもねえや、この町。


2006年5月12日(金)

 今日は、閉店業務を1人で行ったので、大変でした。

 この、閉店業務というやつ、担当のアルバイト2名でやるのが基本なのです。
 しかし、閉店業務担当のバイトが、毎日毎日、2人以上出勤してくるとは限りません。どうしても、1人しか揃わない曜日だってあるわけです。
 今、閉店業務を担当しているのは、私の他に、村井(弟)さんと、青果部アルバイトの佐藤さん(仮名、23歳・男)の2人。彼らは2人とも、週に1日以上は、“1人で閉店業務を行う曜日”を抱えています。1人でやるのなんて、日常茶飯事なのです。

 それに対し、私はどうなんでしょうか?
 実は私、去年の6月から、ずっと閉店業務に携わってきたのですが、なんと、孤軍奮闘する羽目になったのは、今日が初めてだったのです。奇跡的に、今まで一度も、“1人で閉店業務を行う曜日”を、抱えたことがなかったのです。
 今日だって、本来なら出勤するはずの、村井(弟)さんと青果の佐藤さんが、共に、当人たちの事情によりお休みだったために、一時的に、1人で閉店業務を行うことになっただけなのです。
 決して、恒常的に、“1人で閉店業務を行う曜日”を抱えることになってしまったわけではないんです。
 ツイてるなぁ、俺。

 しかし、1人でやるのに慣れてないだけに、今日は苦労しましたよ。
 今まで、ぬるま湯につかり続けてきた、ツケが回ってきたんだな。


2006年5月13日(

 今日も、初めての町(一昨日行ったのとは、違う町)まで、会社説明会に行ってきました。

 帰りにまた、地元名物の、スーパー戦隊のウェファーチョコを探しました。
 やはり、ありませんでした。

 おい、これ、もはや、どこにもないのか?
 人気商品じゃないのか?
 そういえば、私の住んでる町でも、この商品を取り扱ってる店は、すでに、私の働いてるスーパーと、そのライバル店ぐらいしかない。
 急がねば!


2006年5月14日(

 今日は、日記に書くほどのことがなかったので、11日と13日の会社説明会について、付け足しを。

 まずは、11日の会社。
 この会社の社長さん、とても、話が長かったのです。
 なにしろ、カンニングペーパーの類は一切見ずに、一人で、3時間近くも、ブッ続けで喋りまくっていましたから。

 次に、昨日の会社。
 募集人数は4人なのに、説明会に参加していたのは、私も含め、3人だけでした。

 これはこれは、おもしろい企業が、並びましたね。


2006年5月15日(月)

 以前に書いた通り、今日で、風間副店長とは、お別れです。
 明日から彼は、別の店で、働くのです。

 この、風間副店長、ウチの店の、バイト関係の人事を、一手に取り仕切っていました。
 時には、店長がしゃしゃり出てきて、「○○を鮮魚に異動させろ」なんて、彼に命じることもあるかとは思いますが、基本的には、彼が、バイト人事の最高責任者だったのです。
 バイト希望者と面接をするのも、彼。採用を決めるのも、彼。私や、他のバイトのみんなが、ウチのスーパーで働けているのは、風間副店長のおかげなのです。
 そういう意味では、彼は、非常に感謝すべき存在です。
 今までお世話になりました。新しい店でも、頑張ってください。

 それから、鮮魚のサブチーフの、青野さん(仮名、推定年齢30代前半・男)も、同時に異動になりました。
 この人も、今まで、全く出番がありませんでしたね。


2006年5月16日(火)

 大学の、ゼミに出席しました。
 4年生になって、初めての出席でした。

 ゼミが始まる直前、私は、単身、担当教授の研究室に乗り込み、今まで全然出席できなかったことを、教授に侘びました。
 就職活動で忙しかったのだと言い訳し、許してもらいました。
 本当は、ただのサボリだったんですけどね。

 それから、さらに頭を下げ、これからも、就職活動が忙しいために、ほとんど出席できないと告げました。
 ちなみに、こっちは、嘘じゃありません。

 教授は、「事前に電話で欠席の連絡さえ入れれば、出席扱いにしてやる」と約束してくれました。

 さすがは四流大学です。なまけ者でも簡単に卒業できるように、道が開かれています。
 これで、安心して、就職活動に専念できます。


2006年5月17日(水)

 徹夜で履歴書を仕上げ、そのまま、一睡もせずに、会社説明会に行きました。
 片道、2時間ほどかかりました。
 一睡もせずにこれは、ツラかったですよ。
 だったら、履歴書ぐらい事前に書いとけって話なんですけどね。

 帰りの電車の中で、少し睡眠を取り、さてその後は、バイトでした。

 厳しい一日でしたよ。
 完全に自分のせいなんですけどね。


2006年5月18日(木)

 POS室(パソコンなどが置いてある部屋)で、後藤田チーフと、スーパー戦隊カード収集の進行状況について語り合っていたら、平林新副店長が、割り込んできました。「何の話してんの?」という具合に。

 後藤田チーフと私は、事情を説明します。そして、スーパー戦隊カードの素晴らしさを、熱っぽく説きます。

 しかし、平林副店長から返ってきたのは、世界中の誰もが、予想だにしなかった答えでした。
 彼は言ったのです。
お前ら、バカだろ?
 と。

 このまま引き下がるわけにはいきません。
 後藤田チーフは、さらに、スーパー戦隊カードの魅力を、説きます。ひたすら、説き続けます。
 そして、トドメに、こう言いました。
「副店長にも、ダブッたカード、分けてあげますよ。一緒に集めましょう
 これでもう、副店長は、メロメロなはずです。

 ところが、またもや、彼からは、意外すぎる答えが。
「いらねえよ、そんなもん。ゴミになるだけだから。お前らが集めてるのなんか、そこら辺に落ちてるゴミとおんなじ価値しかないから

 なんて、残忍で非人道的なことを言うんでしょう、この人は。
 そんな悪いことばっかり言ってると、あなた、末は、黒十字軍とか大星団ゴズマとか武装頭脳軍ボルトとか次元戦団バイラムとか、そういう悪い組織に入ることになってしまいますよ、きっと。


2006年5月19日(金)

 今日もまた、会社説明会。初めての町に、行ってきました。
 何もない町でした。

 駅に降り立ったら、すぐに、電話をしました。
 これから説明会を行う会社の、本部に。

 人事担当の人に、「駅に着いたら電話してくれ」と、言われていたのです。
 交通手段が少ないので、わざわざ、車で迎えに来てくれるそうなのです。

 さて、やってきた車に乗せていただき、私は、目的の会社へと向かいます。
 そして、とうとう始まった説明会。参加者は、私1人だけでした。

 もう、これ、“会”って呼べないんじゃないの?


2006年5月20日(

 今日も、会社説明会。交通費がかかって、仕方ありません。
 ただでさえ、スーパー戦隊カードのせいで、出費が著しいというのに。

 説明会の会場で、私は、イスにつまづいて転ぶという、カッコ悪いことをやってしまいました。
 それも、社員さんの目の前で。

 まあ、たまには、こういうバカっぽいことをやってみてもいいじゃないですか。
 「能ある鷹は爪を隠す」なんて言葉もありますしね。


2006年5月21日(

 佐藤さんがテスト休みでいないため、午前11時から、午後10時半過ぎまで、働きました。
 夕方に、休憩を1時間取ったので、実働時間は、10時間半強くらいでしょうか。

 休憩時間、休憩室でくつろいでいると、野沢さんが、タバコを吸いにやってきました。
 そこで、会話イベントが発生したのです。

 野沢さん:「今日は、沢山働いて、沢山稼げるんだから、なんかおごってよ
 私:「なんですか、それは(笑) 誰に、何をおごればいいんですか?」
 野沢さん:「俺に、……キャバクラ

 すまない、野沢さん、自分のお金で行ってくだされ。


2006年5月22日(月)

 今日も会社説明会。参加者は、沢山いましたよ。
 数十人はいました。

 これ、全然大したことない人数のような気がするかもしれませんが、決してそんなことはありません。
 なんたって、3日前に私が足を運んだ会社説明会の、数十倍も人が集まったわけですから。

 今日行った会社は、雑誌の出版などの事業も行っている会社でした。
 参考までにと、自社製の雑誌を、1冊、無料でくれました。

 その雑誌の内容で、ひときわ目を引いたのは、アダルトビデオの特集でした。
 付録として、アダルトDVDまで付いていました。

 素晴らしい収穫。豊作です。
 これだけでも、説明会に参加した甲斐がありました。


2006年5月23日(火)

 寝過ごしました。
 会社説明会を、サボッてしまいました。
 キャンセルの連絡すら、入れていません。
 でもまあ、しょうがないでしょう。
 寝坊なんて、誰でもすること。責めるのは、酷ってもんです。

 なんて思ってたら、午後6時過ぎ、私のバイトしているスーパーから、電話が。
 声の主は、春井さんでした。
 なんと、本日出勤予定の佐藤さんが、一向に姿を現さないというのです。

 確か、佐藤さんは、今日が中間テスト最終日。徹夜で勉強して試験に臨んだ後、仮眠を取ってから出勤するなどと言っていました。

 要するに、寝坊したのね。

 私は、電話口の春井さんに、「佐藤さんはたぶん、寝坊したのだ。とりあえず、私が彼女と連絡を取ってみる。反応がなかったら、私が出勤する」と告げ、佐藤さんの携帯に電話。留守電機能が発動したので、今度は、佐藤さんの自宅に走りました。
 なんとしても、佐藤さんを起こさねば。
 私は、出勤したくないのです。
 面倒だから。

 佐藤さんの自宅前に着くと、彼女、ちょうど、家から出てくるところでした。
 良かった。世界は救われた。

 私は、彼女に、
「大丈夫? 出れる? 寝不足のところ悪いね」
 などと、なぜか、やけに低姿勢で接しつつ、それでいて、しっかりと職場へと送り出しました。

 それにしても、佐藤さんよぉ、あんた、寝坊なんて、予定をすっぽかす理由にはならんぞ。
 寝過ごしただなんて、言い訳になるわけがないだろう。
 全く、恥ずかしい奴だ。
 最低だよ!

 ……はい。よく分かりました。申し訳ありませんでした。
 以後気をつけます。


2006年5月24日(水)

 13日に説明会を受けに行った会社。そこの入社試験を受けてきました。
 帰ってきたら、バイトに直行。さすがに疲れました。

 バイト終了後、満身創痍の体に鞭打ち、またしても、清水さん&村井兄弟とお食事に。
 今日の、4人の会話の内容は、次の清水さんの発言に、端的に現れています。

新気功砲は強かったよねー。あれだけ実力差のあるセルを足止めしたからね。あれはすごかった」

 お前ら、ゲームの次はマンガかよ!
 大人になりなさいよ。


2006年5月25日(木)

 今日もまた、会社説明会。

 帰りの電車の中で気持ち良く眠っていたら、可愛らしい女子高生3人組に、起こされました。
 きっと、ボクの寝顔があまりにも素敵だったから、声をかけずにいられなかったのでしょう。

 と、思ったら、電車の中には、私と、その3人組しか乗っていません。
 どうやら、「終点に到着したのに目を覚まさない人がいたから、親切にも起こしてくれた」ってだけの話だったようです。

 なーんだ。私はてっきり、3人が3人とも、
お嫁さんにしてください
 とか言ってくるのかと思っていたのに。
 ただ起こされるだけだったなんて、想定外だなぁ。


2006年5月26日(金)

 例の、説明会に1人しか参加していなかった企業の、入社試験を受けてきました。
 もちろん、受験者は、私一人でした。

 なんというか、この会社、入りたくありません。

 なんで入社試験なんか受けてるのか、自分でも分かりません。


2006年5月27日(

 今日もまた、会社説明会に行きました。
 参加人数は、数十人。説明会終了後、即、選考に突入するという、気の早いタイプの説明会でした。

 しかしですね、説明会を聞いただけで、帰りたくなってしまったんですよ、私。
 なんか、この会社に入りたいとは感じないな〜と。
 だけど、説明会と選考が一体化しているということは、当初から、公然の事実なんです。
 それを承知で来ているわけですから、帰りにくいことこの上ありません。
 一応、説明会が終わった際、司会を務める社員さんが、「選考に残る気のない方は、帰って構いませんよ」なんて言っていましたが、そう言われて帰る人の姿なんて、ちっとも見当たりません。
 ここで帰るのは、いかにも気まずい。私には、一人でそんな大それたことをする勇気なんぞ、ありません。

 そこで私、隣の席に座っていた、女の学生さんに、声をかけてみました。
 そして、彼女と相談、二人で、その場から脱出することにしました。
 私の作戦勝ちです。

 会場を出たら、その人と二人、最寄りの駅まで歩きました。
 駅で別れたのですが、その時、なんと彼女、私に、携帯の番号とメールアドレスを聞いてきました。
 もちろん、二つ返事で教えましたよ。

 就職活動をしている学生たちは、有用な情報に飢えていますから、こういった、初対面でのアドレス交換は、頻繁に行われているのかもしれません。
 しかし、そんな、ロマンチシズムのカケラもない解釈、私は認めませんよ。

 いやぁ、私、この年になるまで気づきませんでしたよ。
 ボクって実は、モテモテ君だったんですね。

 まあ、私の読みでは、そう遠くない将来、彼女、電話かメールで、ボクに言ってくると思いますよ。
 「ウチの教団に入らないか」って。


2006年5月28日(

 今日も、先週同様、朝から晩までアルバイトでした。
 佐藤さんの中間テストは、とっくに終わっているのですが、それでも、私が、一日中出たのです。
 会社説明会などに出席するために、彼女には、たびたび、私の代打を務めてもらっていますからね。今日は、その振り替えなのです。

 私、バイトと就職活動を合わせると、全く休みがありません。疲れますよ。
 疲れていたため、今日の私、売り場を完成させることができませんでした。閉店業務が始まるまでに、間に合わなかったのです。

 仕方がないので、閉店業務終了後、そのまま帰りました。
 これ以上は残りたくても残れないので、帰るしかなかったのですが、こういうことをやらかすと、明日の朝出勤してくる精肉社員に、大変な迷惑がかかります。良い子は絶対にマネしてはいけませんよ。きちんと、ノルマを達成しましょう。


2006年5月29日(月)

 ついに、ここまで来ましたよ。
 全部で153種類ある、例の、スーパー戦隊のカード。現在、ちょうど、150種類まで集まったところです。
 少なく見積もっても、2万円以上は、つぎ込んだはずです。

 後藤田チーフのほうはというと、まだ、120種類を、どうにか超えた程度
 私から、結構な枚数のダブりカードを援助されているのに、120枚。
 全くの、庶民レベルですね。

 どうして、こんなに差がついたのでしょう? 以前は、後藤田チーフのほうが、かなり先を走っていたくらいなのに。
 やはり、運の良さと投入資金と廃人度の違いでしょうか。
 ダメだ。一つも、自慢できるような要素がありません。

 私が、まだ手に入れていないカードは、救急戦隊ゴーゴーファイブから、1枚。百獣戦隊ガオレンジャーから、1枚。忍風戦隊ハリケンジャーから、1枚。
 残り3枚。ラストスパート。血で血を洗う、壮絶な最終決戦の始まりです。

 153種類を揃え切った暁には、私、生きる目的を失ってしまいそうで、恐ろしいです。


2006年5月30日(火)

 今日もまたまた、説明会。
 なかなか、気前のいい会社でした。
 お土産に、お菓子の類をくれましたから。

 アンパンマングミとか、基礎美容食品を名乗る、まずい飲み物とか。

 しかし、どう考えても、私に、美容食品はいらないでしょう。
 これ以上、美人になってしまっては、みんなから妬まれてしまいますもの。かえって困りますわ、あたくし。


2006年5月31日(水)

 やりました。やりましたよ!
 本日、ついに、スーパー戦隊のカード、153枚コンプリートを達成しました!
 私のカードホルダーは、今、スーパーヒーローたちの勇姿で、満ち満ちています。

 もはや、私の人生は、その最大の山場を越しました。
 後は、余生を、噛み締めて過ごすだけです。

 コンプ後には、おなじみの、アルバイト。もちろん、みんなに自慢しましたよ。

 後藤田チーフは、
「おめでとう!」
 と、拍手をしてくれました。
 極めて正しい対応ですね。

 しかし、誠に遺憾なことに、そのような正しい対応ができたのは、後藤田さんだけだったのです。

 私が偉業を成し遂げたということを、人づてに聞いた、グロサリーの清水さんは、私の顔を見るなり、笑いながら、
アホを発見した
 と、言いました。

 我が相棒の佐藤さんに至っては、
バカじゃないですか!?
 と、私の全人格を完全否定。
 さらには、カード収集に対する、私の有意義な投資を、“無駄づかい”と決めつけ、
先輩、将来、女に貢いで破滅したりするんじゃないですか? なんか、ホントに心配になってきた……」
 などと抜かしやがったのです。

 ヒドい、ヒドいよ、あなたたち。

 でも、いいんだ。
 メンデルやゴッホだって、存命中は、こんなもんだったんだから。



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