(感想・批評)
本シリーズの、他の作品にもいえることだが、ライバルであるファイナルファンタジーシリーズとは全く逆の、純ゲーム的な演出方法が用いられたゲームである。
主人公とプレイヤーの一体感が、非常に強い。それゆえに、劇中で起こるちょっとしたことですら、プレイヤーの胸を打つ。
シナリオも、そのことを巧妙に利用した、素晴らしいものに仕上がっている。ヘタをすればドラマを盛り上げることの弊害となりかねない、「喋らない主人公」を、有効に活用できている。
また、ストーリーの本流とは関係ない部分まで丁寧に作られており、脇役や端役たちにもドラマが与えられている。そういった意味でも、シナリオの完成度は高い。
ゲーム中盤に、二人の女性のうち、どちらかを主人公の結婚相手に選ぶというイベントがある。それは別に構わないのだが、どちらを選んでも、シナリオにもシステムにも大して差が生じないことには、少しガッカリ。
倒した敵モンスターを仲間にできるシステムは、冒険に彩りを与えてくれている。仲間モンスターを育てる作業も、楽しい。しかし、仲間にできるモンスターの種類があまり多くないことと、仲間になってくれる条件が完全にランダムであることには、ちょっと物足りないものを感じる。
この、モンスターを仲間にできるという点を除けば、システム面には、特に取り立てて語るような部分はない。割と、普通のゲームである。
ラスボスは、取って付けたような存在であり、しかも、弱い。相当に影が薄く、印象に残らない。
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