ヘラクレスの栄光V〜神々の沈黙〜

1992年4月28日発売
エニックス

ゲーム シナリオ キャラ バランス 音楽 難易度
D S B B B やや易しい

(概説)
 ギリシャ神話の世界を舞台にしたRPGシリーズ、ヘラクレスの栄光シリーズの、第3作。前2作は、ファミコンで発売されている。
 前作までとは打って変わって、徹底的に、ストーリーに力が入っており、その珠玉のシナリオは、「RPG史上最高」との呼び声も高い。
 記憶喪失の主人公が、ベッドで目覚めるところから、物語は始まる。

(感想・批評)
 何をおいても、シナリオが素晴らしい。重厚でドラマチックなストーリーは、超一流である。ゲームであることを最大限に活かし、ゲーム以外では決して味わうことのできない感動を、与えてくれる。
 伏線の張り方もうまい。最初のうちはやや退屈だが、徐々に話に引き込まれていく。そして、クライマックスでは、驚愕の事実に直面することになる。
 ゲームバランスも、結構いい。エンカウント率が高めで、敵も強めだが、レベル上げのための戦闘はほぼ不要だし、ダンジョンの構造も単純なので、それほど苦を感じることもなく、割と速いテンポでゲームを進めていくことができる。ただ、欲をいえば、もう少し、主人公たちの歩くスピードを速くしてほしかった。
 キャラクターとしては、主人公の相棒的存在のレイオンが、いい味を出している。プレイヤーと一体化しているために喋らない主人公に代わって、パーティーのムードを盛り上げてくれるのは、彼である。また、彼の日記を盗み読みすることも、このゲームの楽しみの一つ。
 グラフィックのレベルは少し寂しいが、ギリシアを初めとした、各国の雰囲気はよく出ている。
 戦闘中に、味方キャラたちがセリフを言うのは、なかなかおもしろい。


名ゼリフ

「しかし、あなたは……。私には殺せない」(赤い鎧の男)



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