(感想・批評)
時間の概念が取り込まれたバトルは、スピード感と緊張感があり、非常に楽しい。不必要にプレイヤーをアセらせ、つまらないミスを誘発してしまうという側面もあるが、それもまた、この戦闘システムの醍醐味の一つなのかもしれない。バランスも、特殊な戦闘システムの割には、なかなか取れている。
各ボスの攻略も、おもしろい。プレイヤー自身に攻略法を見つけさせつつも、苦のない戦闘難度に抑えているのは、さすがだ。ただ、大物ボスグループであるはずの「ゴルベーザ四天王」に至っては、ずいぶん名前負けしている気がする。並のボスとは格が違うのだから、もう少し手ごたえがほしかった。
物語は、ドラマチック。だが、少し距離を置いて、冷静な目で見てみると、大して深みのある話ではないということに気づく。やはり、演出面で、それをカバーしているといえるだろう。それぐらい、演出面は上出来である。キャラも、小さいのによく動き、心憎い感情表現をする。
仲間キャラが、イベントで死にすぎである。しかも、そのほとんどが、「実は生きていた」という展開になる。これでは、全然感動できない。あまりのワンパターンさに、最後には、怒りさえこみ上げてくる。
ラスボスが、ほとんど伏線もなく、唐突に出てくるのも気になる。「あんた誰?」という感じである。そんな、影の薄いラスボスなのに、一人だけ、やたらと強い。かなり作品から浮いた存在になってしまっている。
宿屋を後にする時の、主人公たちの動きとセリフは、やけにカワイイ。
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