ザ・ラストバトル

1994年12月2日発売
テイチク

ゲーム シナリオ キャラ バランス 音楽 難易度
D D D E C やや難しい

(概説)
 「ファミコン神拳110番」のライターの一人だったことで知られる、「キム皇」こと木村初がゲームデザインを担当した作品。発売日が、当初の予定より、1年も延びてしまった。
 2つの国の間に起こった戦争を舞台に、物語は進行していく。
 様々な要素を合成し、プレイヤー自身の手で魔法を作り出すことができる。

(感想・批評)
 最大のウリである魔法合成は、新鮮でおもしろい。しかし、底が浅く、組み合わせの法則が簡単に見えてしまう。そのため、ゲームも後半に差しかかるころには、新しい魔法を作るという行為が、単なる作業になってしまう。
 戦闘は、セミオートなので楽チン。プレイヤーの手で、おおまかな作戦を立てることもできる。だが、COMがおバカなために、なかなか思い通りに動いてくれず、イラつくことも。そんな時のために、ポーズをかけて、ピンポイントで指示を与える機能もあるが、ちょくちょくこれをやるのは、面倒である。
 また、パーティー内の各キャラの、物理防御力・魔法防御力に大きな差があるのに、戦闘中に敵から攻撃を受ける確率が全員一律なのも、困る。これのせいで、戦闘中は、常に味方の残りHPに気を配らねばならず、面倒さが、よりアップしてしまっている。せっかくの、快適なオートバトルが台無しだ。
 ダンジョン内のエンカウント率が、異常なまでに高いのも問題。マトモに歩けないほどなのである。
 ストーリーの進行スピードに、味方パーティーのレベルが、全然ついていかない。物語は、「前に進め!」と言っているのに、ひたすらレベル上げをしなければ、そんな物語の気持ちに応えることができないのだ。焦燥感と倦怠感が、山積みになることになる。
 自分で作った魔法や作戦に、自分で名前を付けられるのは、良い。「これは俺が作った!」という感じを、高めてくれる。
 戦争がテーマの物語ということで、劇中、たびたび、戦争のシーンが登場するが、それらは、あんまり戦争っぽく見えない。ちょっと残念である。
 シナリオからは、『ゲド戦記』の影響が感じられる。


名ゼリフ

「だから私、待ちます。待っていたいんです」(マリア)



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