（概説）
　FFに次ぐスクウェアの看板となる、ロマサガシリーズの第1作。ゲームボーイで好評を博したRPGシリーズ、サガシリーズの流れを汲んでいる。
　シリーズを追うごとにシナリオ重視になっていくFFに対して、あくまでもシステムに特化したゲームとして開発された。
　フリーシナリオやシンボルエンカウントの導入を初め、多くの面で、一般的なRPGとの差別化を図っている。
　プレイヤーは、8人の主人公から、1人を選んで遊ぶ。

（感想・批評）
　自由度が非常に高く、ストーリーに束縛されずに、冒険を満喫できる。しかし、それは裏を返せば、主人公の目的が、よく見えてこないということでもある。特に序盤は、何をしたらいいのか分からず、困ってしまうこともしばしば。
　各地で起こるイベントは、全体的に、軽めの内容のものが多い。さらにその多くは、客観的に見て、主人公が絡む必然性が薄い。だが、それゆえに、行動に、多数の選択肢が入り込む余地があるともいえる。
　プレイのしかたにもよるが、敵が強すぎる。倒し甲斐があるといえば確かにそうなのだが、そこら辺のザコに瞬殺されることがしょっちゅうというのは、さすがに問題であろう。
　また、シンボルエンカウントにも問題がある。ダンジョンなどでは、狭いマップに大量の敵がひしめき、連戦を重ねることになってしまうのだ。避けることは難しい。はっきり言って、これにはウンザリさせられる。
　8人分ものシナリオが用意されているため、一度のプレイで飽きることはないが、ゲームバランスがキツいため、何人分もシナリオをやるのには、結構な勇気と根気がいる。
　主人公たちのセリフが、無意味なまでに過激で極端なのには、笑ってしまう。この作品の持つ空気を、端的に現していると思う。
　パンチやキックが、武器として売られているのにも、ついつい笑ってしまう。
　アイデアなどには素晴らしいものが感じられるのだが、どうも、それらが形になっていない。「未完の大作」という匂いがする。