(感想・批評)
とにかく、渋いゲ−ムである。
主人公の物語を描くための、おざなりの世界があるのではなく、まず、世界やそこに住む人々が、しっかりと構築されており、それからそこを、主人公であるプレイヤーが旅していくという作りになっている。そのため、ドップリと、異世界に入り込むことができる。
単なる町の人なども含め、登場人物のほぼ全員が、名前と、人格と、一日の生活サイクルを持っている。この作り込みようには恐れ入る。しかし、全員に名前があるのは、時にややこしいというのも事実である。
ひたすら物語を追っていくようなタイプのゲームではないので、自由度は高い。シナリオ進行状況によるプレイヤーの行動範囲の制限も、ほとんどない。終盤に行くべき、ストーリーの鍵を握る場所に、序盤の段階から行くことも可能である。
物語よりも自由度を優先しているため、メインストーリーでさえ、ほとんど描かれない。だが、そのストーリーの根底に流れるテーマは、重い。
町と、その他のフィールドの間に、マップの切り替えなどによる区別はなく、これらは全て、同一のマップ上に存在している。それだけに、世界は広大である。探検のしがいがある。
ダンジョンの攻略難度は高い。謎解きも難解なものが多く、場所によっては、モンスターたちも強力である。
夜になると暗くなる。それは当たり前なのだが、夜間に営業しているはずの酒場の中でさえ真っ暗なのは、さすがに不自然だと思う。
とことん、冒険者気分にひたれる。「冒険を楽しむ」という点において、このゲームを超えるゲームは、そうそうないのではないだろうか。
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