ウルティマY〜偽りの予言者〜

1992年4月3日発売
ポニーキャニオン

ゲーム シナリオ キャラ バランス 音楽 難易度
A C C D C 難しい

(概説)
 ウィザードリィシリーズと共に、海外産RPGの双璧を成す、ウルティマシリーズ。その第6作を、スーパーファミコン用に移植したもの。
 戦闘よりも何よりも、「真理の探究」に重きを置いた、哲学的な内容のゲーム。
 プレイヤーは、聖者アバタールとなり、「ブリタニア」という世界を旅する。
 斜めに傾いたグラフィックが、特徴的。

(感想・批評)
 とにかく、渋いゲ−ムである。
 主人公の物語を描くための、おざなりの世界があるのではなく、まず、世界やそこに住む人々が、しっかりと構築されており、それからそこを、主人公であるプレイヤーが旅していくという作りになっている。そのため、ドップリと、異世界に入り込むことができる。
 単なる町の人なども含め、登場人物のほぼ全員が、名前と、人格と、一日の生活サイクルを持っている。この作り込みようには恐れ入る。しかし、全員に名前があるのは、時にややこしいというのも事実である。
 ひたすら物語を追っていくようなタイプのゲームではないので、自由度は高い。シナリオ進行状況によるプレイヤーの行動範囲の制限も、ほとんどない。終盤に行くべき、ストーリーの鍵を握る場所に、序盤の段階から行くことも可能である。
 物語よりも自由度を優先しているため、メインストーリーでさえ、ほとんど描かれない。だが、そのストーリーの根底に流れるテーマは、重い。
 町と、その他のフィールドの間に、マップの切り替えなどによる区別はなく、これらは全て、同一のマップ上に存在している。それだけに、世界は広大である。探検のしがいがある。
 ダンジョンの攻略難度は高い。謎解きも難解なものが多く、場所によっては、モンスターたちも強力である。
 夜になると暗くなる。それは当たり前なのだが、夜間に営業しているはずの酒場の中でさえ真っ暗なのは、さすがに不自然だと思う。
 とことん、冒険者気分にひたれる。「冒険を楽しむ」という点において、このゲームを超えるゲームは、そうそうないのではないだろうか。


名ゼリフ

「いつか、島に帰って連れてくる。いつか……」(ウトモ)



戻る